柏木ひなた生誕ソロライブ「over the moon」感想

どうしても仕事を切り上げることができなくて、既に開演20分ほど過ぎた頃、1秒でも早くと駅からZeppまで走りながら見上げた月の大きさと眩しさにびっくりして、この公演のタイトルが「over the moon」だったことを思い出した。

タイトルの理由はどこかで言っていたのかな?おそらくひなちゃんがファンを公言する太陽とシスコムーンさん、メンバーの小湊美和さんがコーラスという形で参加されていたことが理由でしょうが、月の綺麗な夜にだいすきな人とお誕生日当日の生誕祭、ああ神様に愛された人だなぁと勝手に運命めいたものを感じてしまいました。

 

この日、私は本当にたくさんの箇所で泣いてしまって、理由はたくさんあるのですが1番は「ひなちゃんがやりたいことを生き生きとステージの上でやっている」と実感する瞬間でした。

2020年ひなちゃんの生誕祭が延期になり、開催内容が当初のものから変更になることが決まった時、周囲に新たな公演としてつくらせてほしいとタイトルを「Next to you」に変更したことが私はずっとなんて誠実なひとなんだ!とだいすきでした。

ひなちゃんは時に不器用なほどに真面目でまっすぐで、ずるい心のない人で、だから「Next to you」は心からひなちゃんのやりたいことが100%詰められたライブではなかったのだと思います。もちろんファンの隣に寄り添うこと、が当時の彼女が最もやりたかったことだったのでしょうけれど、それ以上に"必要""すべき"と思ったのではないでしょうか。

 

 

今年の生誕はだいすきでだいすきで仕方ないこみねぇさんをゲストに迎え、生バンドを携え、だいすきな音楽をやる、という気概に満ちていて、見ていて清々しい気持ちでした。こちらへの想いをたっぷり投げかけてくれること、それもまた大変素晴らしいけれどご本人がだいすきな音楽に囲まれて幸せそうにしている時間を垣間見させてもらえることを、観客がライブで得られる1番強い幸せのひとつと思っています。MCで自分のやりたいことを相談させてもらったと嬉しそうに語ったラストのオリジナル曲、「Take Your Original」はめちゃくちゃかっこよくて、音楽的な難しいことは分かりませんが明らかに諸方面から影響を受けているな〜と感じて微笑ましい気持ちでした。

柏木さん、すっかりソウルフルシンガーになられて…。

 

 

T&Cボンバーの「HEY!真昼の蜃気楼」では、普段のひなちゃんならば「キャラじゃない」と一蹴しそうな色っぽい歌詞を堂々と歌い上げていて、この人ステージの上なら何にでもなれる人だ!と強く思いました。エビ中の歌詞にはない男女間の歌なので生き生きと歌うひなちゃんを見て、これからもステージで様々な可能性を見せてくれよと思いました。

MCの中で、言葉を詰まらせながら「ライブは生きてると感じられる場所」「自分に自信がないけれど、ステージに立っている瞬間だけは輝いていると思ってる」と語ってくれて、言葉にしなくてもひなちゃんがそう考え感じパフォーマンスしていることは私に伝わっていましたが、やっぱりきちんと言葉にしてくれることはこの上なく嬉しかったです。

 

 

 

自分のやりたい音楽がベースとなっていても、やっぱりファンへの想いとサービスを欠かさないのがひなちゃんだな、と思ったのは限られた持ち曲の歌唱に永遠のトリニティーと光年の愛を入れているところでした。もう既にスタダにはいない人達と歌っていた曲なので、もう聴けないと残念に思っている人へのプレゼントのような優しい選択だなぁと思いました。みんな待ってたかな?と曲の導入でのいたずらっ子の笑顔がかわいかったです。

 

以下「光年の愛」の感想です。

 

「光年の愛」は2015年の大学芸会でぁぃぁぃとひなちゃんがユニット曲として歌った曲でした。当時の私はひなぁぃに特に強い思い入れはなく、大変な捻くれ者のため恥ずかしいくらいの広大でまっすぐな恋愛(と読める)の歌詞のこの曲を苦手に思っていました。(性格が悪いんです…すみません)

 

この時の私に、あなた6年後この曲で大泣きするよ、と教えても絶対に信じないだろうな…。

 

パフォーマーの歌う歌詞に、勝手に気持ちをなぞらえて勝手に涙するのがオタクという生き物ですが、いまの気持ちだ… の連続でした。

 

こうして出会えたことは 本当に偶然だろうか

あなたに出会えたこのことは 

運命であって欲し

たとえ星座が形を変えても

守り続けるよ変わらない愛を

時間がどれほど残酷に押し流そうとしても

 

エビ中は7年ぶりの新メンバー加入という大きな変換期を迎えていて、この歌詞を今の状況とリンクして聞いてしまい溢れるものがありました。

ひなちゃんの矜恃のようにも聞こえると同時に長い間だいすきなあやちゃんがいなくてもずっとエビ中のことをどんどんすきになっている自分の気持ちにも、新メンバーを迎えてもきっとエビ中チームならば大丈夫だと本心から思える自分の気持ちにも、色々な感情がぴったり重なりました。この歌詞をこの気持ちで泣けることはすごく幸せなことだなと今思い返しても思います。

 

公演後FCでライブ中の写真が上がり、ひなちゃんが「歌姫」とテプラされたマイクを握っていることに気づいて、音楽を愛し音楽に愛され、音楽人にも愛し愛され、ファンを愛し愛され、お月様にも愛されたひなちゃんという人に心からおめでとうとありがとうを何度も思った夜でした。

 

これからの彼女はじめ私立恵比寿中学の全てを楽しみにしています。